建設業許可の要件
建設業許可を取得するには、許可の要件を満たさなければなりません。許可の要件は下記の5項目です。
1、経営業務の管理責任者を有していること
2、専任の技術者を有していること
3、請負契約に関して誠実性を有していること
4、請負契約を履行する財産的基礎または金銭的信用を備えていること
5、欠格要件に該当しないこと
この5つの要件を全て満たさなければなりません。以下この5つの要件について説明していきます。
1、経営業務の管理責任者
経営業務の管理責任者(略して経管)とは、営業取引上、対外的に責任を持つ者で、建設業の経営業務に関して総合的に監理した経験を持つ者です。建設業産業は受注生産産業で契約金額も多額です。また、資金の調達、施工管理、近隣対策などいろいろと行わなければなりません。このようなことから適正な工事施工を確保するために一定の経営経験を持つものが最低一人いると考えられ許可要件となっています。
具体的に経営業務の管理責任者になれるのは次の者です。
申請者が、法人の場合は常勤の役員のうち1人が、個人の場合は本人(又は支配人登記をした者)が、次のイ〜ロのいずれかに該当すること。
|
※申請の際、いずれも確認資料が必要ですが各都道府県によって取扱
いが異なります。
※建設業法第7条第1号参照
2、専任の技術者
専任技術者(略して専技)とは、許可を受けようとする建設業に関して一定の資格または経験を有するもので各営業所に専任でいなければなりません。これは、各営業所において専任技術者の技術指導のもと、適正な建設業営業(請負工事の施工など)が行われることを確保するための基準です。
具体的に専任技術者になれるのは次のいずれかに該当する者です。
|
※ハの国家資格は例えば、各種施行管理技士や電気工事士などです。
※平成28年4月1日から専門学校を卒業し、専門士、高度専門士の称号
を付与された者は、大学卒相当、それ以外の卒業者は高校卒相当と
なりました。
※申請の際、いずれも確認資料が必要ですが各都道府県によって取扱い
が異なります。
※建設業法第7条第2号参照
特定建設業許可を受けようとする場合は、専任技術者の許可要件がさらに厳しくなっています。
特定建設業の専任技術者は次のいずれかに該当する者です。
|
※ただし指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園工事業
の7業種)に関しては、イまたはハのどちらかに該当する者となります。
※建設業法第15条第2号参照
↑このページの一番上へ
3、請負契約に関して誠実性を有していること
この許可要件は、不良不適格業者を排除するために設けられています。
具体的には、法人の場合は当該法人、役員、支配人及び営業所長などが、個人の場合には、申請者、支配人及び営業所長などが請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかに無いことをいいます。
不正な行為とは、請負契約の履行における詐欺や文書偽造などの法律違反行為です。不誠実な行為とは、工事の内容や工期などの請負契約違反です。
↑このページの一番上へ
4、財産的基礎または金銭的信用を備えていること
請負契約を履行する財産的基礎または金銭的信用を備えていることとは、建設工事の施工に伴いある程度の費用を要することから、最低限の経済的な水準を定めたものです。
具体的には、一般建設業許可の場合は、申請時の直前の決算において自己資本の額が500万円以上であるか、500万円以上の資金を調達する能力があるか、申請時直前に過去5年間許可を得て営業した実績を有するかです。
特定建設業許可の場合は、さらに許可要件が厳しくなり。次のいずれにも該当していなければなりません。
イ | 欠損の額が、資本金の額の20%を超えていないこと |
ロ | 流動比率が75%以上であること |
ハ | 資本金が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること |
許可取得にあたって会社設立を考える場合は注意が必要です。例えば、一般建設業許可を受けようと考えていて、もしも資本金300万円で会社を設立した場合は、許可要件を満たしません。このような場合は、資本金を500万円以上にして設立すれば許可要件を満たします。同じく、特定建設業許可を受けようとする場合は資本金を4,000万円以上にして設立すれば許可要件を満たします。
上記の例の場合ですが、もしも資本金300万円で会社を設立してしまったとしても、500万円以上の資金調達能力がある(銀行の500万円以上の預金残高証明書など)と認められれば、許可要件は満たします。
※確認資料は各都道府県によって多少違います。
↑このページの一番上へ
5、欠格要件に該当しないこと
次のいずれかに該当するものは許可を受けることはできません。
・許可申請書または添付書類中に、重要な事項について虚偽の記載があり、または重要な事実の記載が欠けている場合
・法人の場合は当該法人、役員、支配人及び営業所長などが、個人の場合には、申請者、支配人及び営業所長などが、次のいずれかに該当する場合
ア | 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者 |
イ | 不正手段により許可を受けたことなどにより、その許可を取り消されて5年を経過しない者 |
ウ | 許可の取り消し処分を免れるため廃業の届出をしてから5年を経過しない者 |
エ | 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大きいとき、または請負契約に関して不誠実な行為をしたことなどにより、営業停止を命ぜられ、その停止期間が経過しない者 |
オ | 禁錮以上の刑もしくは、建設業法や一定の法令の規定に違反して罰金刑を処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 |
←homeに戻る | ↑このページの一番上へ | お問い合わせ |