建築士事務所とは
建築士は、他人の求めに応じ報酬を得て、次の業務を行うことを業とする場合(注1)は、建築士事務所の登録(注2)を受けなければなりません(建築士法23条)。
ここでいう「他人の求めに応じ」とは不特定又は特定多数人の依頼に応ずることをいい、「報酬を得て」とは、謝礼その他名称の如何を問わず、設計等の業務に対する対価を収受することをいいます。また「業」とは、反復継続して又はその意思をもって設計等の業務を行うことで、営利を目的とするか否かは問いません。
■業務の内容■
◇ 建築物の設計
その者の責任において、設計図書を作成すること
◇ 建築物の工事監理
その者の責任において、工事を設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること
◇ 建築工事契約に関する事務
工事請負契約の内容を十分に調査・検討する必要があり、それにかかる業務
◇建築工事の指導監督
工事監理、建設業法上の施工管理又はいわゆる現場監督でなく、建築工事について工事施工者に即した立場でなく、建築主の依頼により第三者的立場から指導監督すること
◇ 建築物に関する調査又は鑑定
建築物の構造、高さ、面積等の測定等通常建築士としての知識技能を必要とするような全ての調査又は鑑定をいう(建築基準法12条の定期報告の調査・検査等がこれにあたる) なお、土地家屋調査士法等の他の法律において特別の資格の登録等が定められている場合を除く
◇ 建築に関する法令又は条例に基づく手続の代理
建築基準法第6条の確認申請の代理等をいう
〈注1〉 建設業者が建設業法の規定による建設業の許可を受け、請負の一環として、建築工事の設計、工事監理等の業務を行う場合も、建設業の許可のほかに、建築士事務所の登録が必要です
〈注2〉 法人が建築士事務所の登録を受けようをするときは、定款中の業務内容に、建築工事の設計、工事監理等の項目を掲げなければなりません。
また、支店や営業所等を設け、そこにおいて設計等を行う場合、それぞれ建築士事務所の登録を受けなければなりません。
建築士事務所登録の要件
一、管理建築士
(1)管理建築士の専任
建築士事務所の開設者は、建築士事務所を管理する専任の建築士を置かなければなりません(建築士法第24条第1項)。これは、登録の要件です。
建築士事務所を管理する建築士は、事務所に常勤し、専ら事務所を管理する必要があります。このため、一人の建築士が複数の建築士事務所の管理建築士を兼ねることはできません。管理建築士は、責任の所在を明確にするため、一事務所について一人に限られます。
また、管理建築士が宅地建物取引主任者や建設業法における専任技術者など他の業務を併せて行っている場合は、実質的に建築士法第24条第3項に規定された管理が十分に行われるかどうかによって判断されます。同一会社、同一営業所であるなら基本的に兼任できます。(大阪の場合)
(2)管理建築士になるには
管理建築士は、建築士として3年以上の設計等の業務に従事した後、国土交通大臣の登録を受けた者(登録講習機関)が行う講習の課程を修了した建築士でなければなりません(建築士法第24条第2項)
(3)管理建築士の仕事
管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る技術的事項を総括し、その者と建築士事務所の開設者が異なる場合においては、建築士事務所の開設者に対し、技術的観点からその業務が円滑かつ適正に行われるよう必要な意見を述べなければなりません(建築士法第24条第3項)。
※大阪府の場合、管理建築士の専任状況を確認するための3点の書類が必要です。(代表者が兼任の場合は不要) 代表者=登録申請者又は代表取締役
@ 住民票(単身赴任等の場合は、直近3ヶ月以内の公共料金の領収書、又は郵便局の消印のある郵便物で、氏名と居住地の確認ができるもの
A 給与台帳又は源泉徴収簿(直近3ヶ月) 【源泉徴収票は不可】 新規雇用の場合は雇用契約書
B 健康保険証の写し(事業所名記載のもの)又は雇用保険被保険者証・雇用保険資格取得等確認通知書のいずれか。
・新規雇用の場合は、社会保険の資格取得届の控え。
・出向社員は、3者出向協定書又は2者出向協定書と辞令が必要
二、事務所の設置確認
開設事務所の所在と使用目的の確認書類[(1)〜(3)のうちの該当書類]
(1)自己(申請者)所有の場合 ≪次の書類のうち1点≫
@ 建物の登記簿謄本 A 固定資産(建物)評価証明書
B 家屋売買契約書又は権利書
(2)賃貸等の場合 ≪持ち主と借主である申請者名義との契約書≫
@ 賃貸契約書(公営・公団住宅は、事務所として認められません)
A 使用目的が住宅の場合、事務所としての使用承諾書が別途必要。
(3)持ち主と賃貸契約を交わしていない場合 ≪次の2点書類≫
@ 持ち主の事務所としての使用承諾書
A 持ち主の所有を証明する、前記(1)の自己所有の書類のうち1点。
新規登録申請書の書式ダウンロード(ワード)
登録通知書
大阪府では、登録申請書受理後、おおむね2週間で審査終了します。審査終了後、申請書副本と登録通知書を大阪建築登録センターへ取りに行くか、宅急便(着払い)で送られてきます。受け取り方法は、どちらにするか申請時に希望します。
また、登録終了後、忘れずに標識(営業所に掲げる看板)を作成します。建築士法第24条の5で義務付けられています。
建築士事務所登録の有効期限
建築士事務所登録は、5年間有効です。更新を受ける場合、建築士事務所の開設者は、有効期間満了の30日前までに、更新申請をすることになっています(建築士法23条)。大阪府では有効期間の3ヶ月前から更新申請の受付が可能です。
通常、期限がもうすぐ切れますよという通知は一切ありませんが、大阪府の場合、希望すれば(手数料千円)期限3ヶ月前に通知してもらうサービスがあります。
建築士事務所登録の手数料
建築士事務所の新規登録及び更新の申請手数料は
一級建築士事務所 15,000円 二級・木造建築士事務所 10,000円となっています。現金持参で支払います。 大阪府証紙は使用できません。
当事務所の報酬はこちらへどうぞ⇒報酬額表
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建築士事務所登録申請の受付場所
<受付場所>
大阪建築登録センター
大阪市中央区谷町3-1-17 ジョイント大手前ビル6階
<受付時間>
午前 9:30〜12:00 午後1:00〜4:00
<休業日>
土曜・日曜・祝日・盆
登録後の手続き
平成19年6月20日施行の改正建築士法により、建築士事務所の開設者は、毎事業年度経過後3ヶ月以内に、設計等の業務に関する報告書(業務報告書)を作成・提出することが義務づけられることになりました。(改正建築士法第23条の6)実績がなくても実績無しとして提出します。
<提出書類>
(1)(第一面)表紙
当該建築士事務所の登録番号、事務所名称、所在地、電話番号、開設者の名称、氏名、事業年度、決算月、担当者連絡先等
(個人事務所の方は、確定申告を基準に1月1日〜12月31日が事業年度となります。)
(2)(第二面)業務の実績
当該事業年度における当該建築士事務所の業務の実績概要
(3)(第三面)所属建築士名簿
当該事業年度における当該建築士事務所に在籍した建築士の氏名、一級・二級・木造建築士の別、及び構造一級・設備一級建築士の別、登録番号ならびに定期講習受講歴、管理建築士はその旨
(4)(第四面)所属建築士の業務の実績
所属建築士ごとの、当該事業年度における業務の実績(当該建築士事務所におけるものに限る)
(5)(第五面)管理建築士による意見の概要
建築士事務所の開設者に対して述べられた意見(技術的観点からその業務が円滑かつ適正に行われるようにするための意見)の概要
業務報告書の書式ダウンロード(エクセル)
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